JBC/JETROフォーラム

「違う?違わない?日米バイオ業界」

 

サンフランシスコで開催されたBIO2004期間中の68日、シリコンバレーを中心に活動するJapan Bio Community (JBC) では、標記のフォーラムをJETROとの共催という形で、ホテルニッコーサンフランシスコにて開催した。昨年のBIO2003(ワシントンDC)の後にも同様のフォーラムを行い、多くの方々に参加いただいたが、今回はBIO2004の開催地がJBCの本拠地であること、日本のバイオ関連企業からの出展数が大幅に拡大したこと、それにより日本からの参加者が一気に増加したことなどが重なって、本フォーラムにも200名を優に超える方々に参加いただいた。

冒頭では、バイオ産業の振興に注力する日本の地方自治体として、静岡県、大阪府、および神戸市から、それぞれの取り組みについて紹介していただいた。スピーチいただいたのは、石川嘉延 静岡県知事、山口健 静岡県立静岡癌センター総長、室岡義勝 大阪大学教授、林皓三郎 NIH研究員の4名。休憩後、米国企業で働く日本人、日本企業で働く方々、そして日米でベンチャーを立ち上げたファウンダー/CEO、それぞれ3,4名をパネリストとしてお招きし、日米就労環境の違いや大企業とベンチャーでの違いなどについてのパネルディスカッションを行った。パネリストとなっていただいたのは、下記の11名である。(各グループ50音順) 

ディスカッションは、JBCオーガナイザーの一人でイベント進行をつとめる、橋本千香さんからの質問に答える形で始まったが、次第に各パネリスト自ら手を挙げるようになり、熱を帯びたものとなった。印象的だった発言を以下にいくつか紹介する。日本で就職した後大学院に入りなおすことはあまり一般的ではないが、アメリカでは当たり前で、むしろキャリア構築の一つのルートでもある。日本では同業他社への転職は歓迎されないが、アメリカではむしろおめでとうという感じで送り出すのが普通。そして優秀な人材は転職によりキャリアアップするので、経営側としてはそのような人材に魅力ある職場を提供する努力も必要。日本であれ米国であれ、バイオベンチャーは大企業などである程度の経験を積んでから始めるのが最適で、IT業界とは違い学生や卒業間もない若手には困難。またこれから日本の製薬企業は再編を余儀なくされ、人材が多数流出するようになると考えられ、またそうなるべき。しかし大企業においても、実際にやっていることはベンチャー的なプロジェクトである場合が多く、しかも資金が豊富にあるというアドバンテージを考えると、あえて飛び出す必然性はない。

この他にも多くのトピックについて活発な議論が繰り広げられたが、各パネリストには日頃の本音をストレートに語っていただいた。特にベンチャーと大企業の間では、異なる意見が火花を散らす場面もあり、多くの参加者にとってもぞくぞくする討論だったのではないだろうか。またベンチャーを始めた方々の多くが以前大企業で働いていたにも関わらず、現在大企業にいる方々との間には顕著な意識の差があることが垣間見られた点も、興味深い。まだまだこれからというところで終了時刻になってしまったが、最終的には各自が個人としての価値をどれだけ高めていけるかが重要という、フロアの八木氏(イムカアメリカ)からのコメントで締めくくられた。

地方自治体から参加いただいたスピーカーの皆様、パネリストの皆様、参加者の皆様、およびスポンサーとなっていただいた企業の皆様に、この場をお借りして感謝いたします。

次回JBCフォーラムは917日(金)に、「バイオ時代のメディシナルケミストリー」をテーマとしてシリコンバレーにて開催予定です。詳細はウェブをご参照ください。

 

Panerists:

米国企業
 田中裕子氏          Sunesis Pharmaceuticals, Inc.

 長嶋万里子氏      Berlex Laboratories, Inc.

 村上梅司氏         Laboratory Skin Care, Inc.

日本企業
 二井
英一氏          Marubeni America Corp.

 松本憲嗣氏         日東電工

 矢野信也氏          山之内製薬

 行正秀文氏         武田薬品

日米ベンチャー Founder/CEO

   加納信吾氏        アフェニックス社長

   窪田良氏           Acucela Inc. (シアトル) CEO

   村井深氏             ポストゲノム研究所社長

   吉野公一郎氏     カルナバイオサイエンス社長

 

JBCのウェブサイトは、www.j-bio.org

 

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