10-06
日本のバイオクラスター
アメリカの話ではないが、日本はバイオクラスター構想が大流行のようである。インターネットでさくっと調べてみただけで、10以上もの地域が見つかった。いくつかについては聞いていたが、こんなにたくさんあるとは知らなかった。
北海道バイオ産業クラスター)
かずさアカデミアパーク
東京ゲノムベイ
横浜サイエンスフロンティア
新潟バイオリサーチパーク
富士山麓ファルマバレー
富山バイオバレー
三重メディカルバレー
京都バイオシティ
彩都ライフサイエンスパーク
神戸医療産業都市構想
福岡バイオバレー
といった具合である。もっとあるかも知れない。東京ゲノムベイはかずさや横浜を含めた構想で、国家プロジェクトでもある。これらのうちかずさアカデミアパークは、1984年に基本構想が策定されたいわば老舗であるが、その他は比較的新しい構想と思われる。それぞれ独自の特長を打ち出してバイオ企業の誘致等を進める計画のようだが、それにしても日本の中だけでこんなにたくさん似たような計画があるのはどうなのだろう。それぞれが競合し、ヒトもモノも各地に分散してしまって、各エリアから生まれる研究やビジネスのレベルが期待したほど上がらないといった心配はないのだろうか。
こういった構想のモデルとしてよく引き合いに出されるシリコンバレーは、アメリカのカリフォルニア州にある。カリフォルニアのバイオビジネスの集積地としては、北部のシリコンバレーと南部のサンディエゴ周辺が2大拠点として目立っている。
ちょっと日本とカリフォルニアを比較してみよう。人口は日本が1億3千万人、カリフォルニアが3千5百万人。面積は日本が38万平方キロメートル、カリフォルニアが41万平方キロメートルである。人口は日本が3.7倍多いので、単純に比例すれば7ヶ所くらいの集積地があってもいいことになるが、面積を考えれば、カリフォルニアと同じ2箇所程度でも十分とも言える。カリフォルニアのあり方が唯一の正解というわけではないだろうが、ある程度成功しているモデルであるのは確かだ。ただし例えばシリコンバレーを行政側が意図して作ったわけではなく、自然にそうなっていっただけなので、これから似たようなものを意図的に作ろうと考えた場合には、特別なアプローチが必要になるだろう。
さて今後の日本、地域間で競合が生まれれば、最終的には自然に淘汰されていくものなのかも知れないが、ただそれを待つのでは時間も資源も膨大に無駄にすることになる。既に構想を持って動き始めている自治体に今からやめなさいと言っても難しいだろうし、私にはどれがよくてどれがよくないとも言えない。しかしながら本当にこんなにたくさんのバイオクラスターが必要なのだろうかと思わずにもいられないのである。